こんにちは。はーねうすです。

今回は、「グリーグ:抒情小曲集を紹介します。

19世紀を代表するロマン派の作曲家であるグリーグが綴ったピアノ小品集です。

全10集で構成される作品集のオムニバス版ですね。

「ピアノ協奏曲 イ短調」や「組曲『ペール・ギュント』」のような管弦楽曲とは異なった、小規模な作品でグリーグの魅力を感じ取ることができる一枚です。

ピアノ演奏は、エミール・キレギス氏です。

打ち込みクラシック

DAW(Digital Audio Workstation)で入力したクラシック音楽のDTM(DeskTop Music)作品を紹介するコーナーを巻末に設けています。
今回紹介するアルバムの中から2曲をピックアップしていますので、是非お楽しみください。

グリーグのピアノ作品集ですね。どれも可愛らしいです。

グリーグはピアノ作品を多く残したことから「北欧のショパン」と渾名されることもあるな。

【着想】北欧のピアノ。

グリーグ:抒情小曲集」のコンテンツです。

「グリーグ:抒情小曲集」です。
グリーグ:抒情小曲集 レーベル[Deuche Grammophon]

19世紀のノルウェーを代表するグリーグでは、ロマン主義音楽の作曲家と位置づけられています。革新的な音楽家という位置づけではありませんが、抒情小曲集のところどころに新しい時代の音楽に向かって行く時期に生きた作曲家の残り香のようなものを感じることができます。

No.曲名(1)曲名(2)作品番号
1抒情小曲集アリエッタOp.12-1
2抒情小曲集子守唄Op.38-1
3抒情小曲集蝶々Op.43-1
4抒情小曲集孤独なさすらい人Op.43-2
5抒情小曲集音楽帳Op.47-2
6抒情小曲集メロディOp.47-3
7抒情小曲集ノルウェーの踊り(ハリング)Op.47-4
8抒情小曲集夜想曲Op.54-4
9抒情小曲集スケルツォOp.54-4
10抒情小曲集郷愁Op.57-6
11抒情小曲集小川Op.62-4
12抒情小曲集家路Op.62-6
13抒情小曲集バラード風にOp.65-5
14抒情小曲集おばあさんのメヌエットOp.68-2
15抒情小曲集あなたのおそばにOp.68-3
16抒情小曲集ゆりかごの歌Op.68-5
17抒情小曲集昔々Op.71-1
18抒情小曲集パックOp.71-3
19抒情小曲集過去Op.71-6
20抒情小曲集余韻Op.71-7

ちょっとした所感です。

<おすすめ度★★★>

「No.4」:「蝶々」

軽やかに中空を舞っているような、軽快な楽曲です。

目まぐるしく動き回っているような装飾的な旋律が、とても心地よいです。

「No.7」:「ノルウェーの踊り(ハリング)

快活で軽妙に動く、民族舞踊のような楽曲です。

明るくてアップテンポな旋律と、低音域で重く鳴り響く伴奏の組み合わせが印象的です。

「No.10」:「郷愁

センチメンタルでメランコリックな音楽が全面に表出した楽曲です。

感傷的な雰囲気で構築された主要主題と、明るく軽やかな装飾で彩られた中間主題との対比がとても素敵です。

<おすすめ度★★>

「No.1」:「アリエッタ

とてもチャーミングな楽曲です。

目覚めたばかりの、覚醒しきれない朧気な感覚を惹起させるような同音で奏でる旋律が、優しげに響きます。

「No.2」:「子守唄

微睡みの中で浮遊しているような楽曲です。

高音のアルペジオが印象的な主要主題の穏やかさは、中間主題の荒々しさへと変貌します。

「No.5」:「音楽帳

自由に綴った、断片の塊ような楽曲です。

妖艶なムードや軽快なリズム、素早く動く装飾など、様々な縁取りが施された、バラエティが豊かな構成になっています。

「No.8」:「夜想曲

夢想的で幻惑の中にいるような楽曲です。

伸びやかな旋律と細かく刻まれる伴奏の組み合わせが、より一層幻想性を強めています。

装飾的に差し込まれる高音域の扱いも素敵です。

「No.9」:「スケルツォ

情緒が不安定な様子を描いたような楽曲です。

苛立ちを隠しきれないような主要主題と、穏やかで可愛らしい中間主題のギャップが面白いです。

「No.12」:「家路

嬉しさで気分が昂揚しているような楽曲です。

跳ね回るように動く主要主題と、冷静さと落ち着きを取り戻したかのように鎮静した部位との対比が良好です。

「No.15」:「あなたのおそばに

ノクターン風の、柔和で感傷的な楽曲です。

ドラマティックに展開する構成と、それを支える動機の旋律美が素敵です。

「No.18」:「パック

猪突猛進するように突き進む楽曲です。

連打とスケールで構成された主題が心地よいです。

「No.20」:「余韻

「No.1 アリエッタ」の変型で構成された、エンドロールのような楽曲です。

「No.1 アリエッタ」よりもよりリズム感を強調されています。

何故か一篇の小説や映画が終わってしまったような、物寂しく感じる内容です。

<おすすめ度★>

「No.4」:「孤独なさすらい人

陰鬱で葬送の更新を連想させる楽曲です。

「No.11」:「小川

同型で進行する、描画的な楽曲です。

軽快なエチュードのようです。

「No.13」:「バラード風に

物思いに耽るような楽曲です。

重苦しい沈鬱な主題が、モノローグのようにデザインされています。

「No.14」:「おばあさんのメヌエット

ちょこちょこ小刻みに動く小動物を撮った、動画を見ているような感覚の楽曲です。

「No.16」:「ゆりかごの歌

可愛らしい、穏やかな心地になる旋律が印象的な楽曲です。

「No.17」:「昔々

望郷のようにノスタルジック色が強い楽曲です。

「No.19」:「過去

なかなか気分が晴れやかにならない、深く沈み込んだ感覚の楽曲です。

どれもが小規模の三部形式で構成された楽曲で、気構えなく聴くことができます。

中には印象派風の楽曲が、機能和声をあえて狂わせた楽曲もあり、グリーグの違った一面を感じることができるアルバムです。

「グリーグ:抒情小曲集」です。
グリーグ:抒情小曲集 レーベル[Deuche Grammophon]

どの作品も短くて、とても聴きやすいです。

「組曲『ペール・ギュント』」のような管弦楽曲とは異なった、単色で彩られたピアノによる絵画、というような作品集だったな。

【観想】抒情とピアノ。

魅力と醍醐味について、少しばかりの言及です。

今回紹介したアルバムは、全10集で構成されたピアノ小品集のオムニバス版です。

「抒情小曲集」というタイトルからも察せられるように、グリーグの感性が鏤められた作品集になっています。

また、「北欧のショパン」と渾名がつくように、ピアノ作品も多く、傑出した楽曲も多いです。

19世紀のロマン主義音楽の作曲家と位置づけられて、革新的な音楽家よりも保守的な音楽家というイメージがあります。

ですが、この「抒情小曲集」には、グリーグに抱くイメージを少し変えてくれるような内容があります。

ライナーノーツには「≪抒情小曲集≫での独創的な調性感や和声について、グリーグ自身は”狂ったもの”と謙虚に語ったが、その印象派的様式は明らかに時代を先取りするものであった。」とあります。

所々に聴くことができる、絵画的に表出した装飾など最たるものです。

ですが、グリーグにとって重要なのは別のようでした。

ライナーノーツには「ノルウェーの自然、民衆の生活、歴史、そして民衆の詩を描くこと(1875年書簡)」とあり、ノルウェーの国民主義的な在り方に自身を置いて、ピアノ小品を作り続けたようですね。

音楽家の略歴です。

<略歴>エドヴァルド・グリーグ
【ノルウェー】1843-1907
ドイツ・ロマン派音楽の影響を強く受けたが、1863年にコペンハーゲンでN.ガーデに短期間師事。またこの地でスカンディナビアの国民的音楽の創造を提唱していたR.ノールロークを知ったことで、ノルウェー国民主義への方向を決定的にした。
(「クラシック音楽作品名辞典<改訂版> 三省堂」より抜粋)

ところで、国民主義音楽とは何ですか。

19世紀中頃から台頭したムーヴメントで、民族が固有に持つ音楽特性に重点をおいた音楽だな。とりわけ自然や歴史を描写する傾向にあるぞ。有名な作曲家としては、チェコのスメタナやロシアのムソルグスキーがいるぞ。

【追想】珠玉のピアノ曲。

地域と時代を超えたコラボレーションです。

「ONTOMOピアノピース・ファイル6『ルーマニア民俗舞曲』」です。
ONTOMOピアノピース・ファイル6『ルーマニア民俗舞曲』音楽之友社

「ONTOMOピアノピース・ファイル6『ルーマニア民俗舞曲』」(音楽之友社)です。

今回紹介したアルバムの中では、「ノルウェーの踊り(ハリング)」が収録されています。

その外にもグリーグの作品として、「アニトラの踊り」があります。これは「組曲『ペール・ギュント』」の中の一曲をピアノ・アレンジしたものですね。

「ONTOMOピアノピース・ファイル」のシリーズとしては、「ONTOMOピアノピース・ファイル9『歌の翼に』」に「アリエッタ」と「ソルヴェーグの歌」が収録されています。

前者は今回紹介したアルバムの一曲です。後者は「組曲『ペール・ギュント』」のピアノ・アレンジですね。

各曲には解説があり、ピアノ演奏上のアドヴァイスというよりも、作品が形成された背景や音楽史的な影響に重点があります。とても勉強になります。

因みに「ハリング」とは、「ノルウェーのオスロ北方の峡谷地帯、ハリングダルで踊られる舞曲のことで、名前もその地名に由来」(5ページ抜粋)だそうです。

シューベルトやチャイコフスキーなどクラシック音楽のビッグネームの作品を、ピアノの譜面と共にそのバックグラウンドも知ることができる、貴重な楽譜集です。

色々な作曲家のピアノ曲があって、眺めているだけでも楽しいです。

ピアノ原曲だけでなく、弦楽四重奏曲や管弦楽曲のピアノ・アレンジもあり、とても贅沢な楽譜集になっているぞ。

【雑想】下手の横好き。(第148弾)

クラシック音楽の打ち込み作品の紹介です。

「Studio One」シリーズで打ち込んだクラシック音楽をお披露目するコーナーです。

今回は、<おすすめ度★★★>として紹介したノルウェーの踊り(ハリング)と<おすすめ度★★>として紹介した「アリエッタ」です。

ノルウェーの踊り(ハリング)

準備中です。

アリエッタ

作曲家:エドヴァルド・グリーグ 作曲年:1867

他作品を含め、下記リンク先にクラシック音楽の打ち込み作品などを纏めていますので、ご鑑賞いただければ嬉しいです。

・ミュージック(クラシック_01)
・ミュージック(クラシック_02)
・ミュージック(クラシック_03)

クラシック音楽をファミコン(ファミリーコンピューター)の音源風(あくまで「風」)にアレンジした「8bit クラシック」という打ち込み作品も纏めていますので、上記に加えてご鑑賞いただければ幸いです。

・ミュージック(8bit クラシック_01)

長く続く趣味を持ちたいです。

今回はグリーグのピアノ作品集でした。

グリーグと言えば、「ピアノ協奏曲 イ短調」や「組曲『ペール・ギュント』」のような、大規模で華やかな作品の作曲家、というイメージがあります。

また、国民主義音楽の傾向を示した作曲家ということもあり、個性は二の次のような感じがあります。

ですが、「抒情小曲集」には、グリーグ自身の感性が色濃く反映されています。

「アリエッタ」と「余韻」の配置に、小曲集に込めたグリーグの心情が伺えます。

次回もグリーグのアルバムを紹介します。

では、また。

確かに「余韻」は「アリエッタ」の変型ですよね。

音楽が「時間」と「記憶」と構成される芸術であることを再認識させられるよな。抒情小曲集を通して聴いたら、「余韻」が一篇の映画のエンディングのように感じられるぞ。

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